トルコ・イスラム芸術博物館にて「オスマン帝国時代から現代までの香りボトル」展が開催

香りのすゝめ公式
Cover Image for トルコ・イスラム芸術博物館にて「オスマン帝国時代から現代までの香りボトル」展が開催

トルコ・イスラム芸術博物館で開催されている「オスマン帝国時代から現代までの香りボトル」展について「Unveiling Ottoman fragrance heritage / オスマン帝国の香りの遺産を解き明かす」 と題した記事が投稿された。

  • オスマン帝国から現代までの香水瓶に関する展示「Gılaf-ı Reyya」は、香りの文化を深堀りしています。コレクターのBekir Kantarcıがキュレーションし、香水瓶や焼香器、ローズウォータースプリンクラーなど、多様なアイテムを展示します。
  • 展示はトルコ・イスラム美術館で開催され、Kuveyt Türkの支援を受け、ガラス、陶磁器、金属、象牙などから作られた約450個の香水瓶を特集。これらのアーティファクトは、異なる時代や文化から来ており、豊かな遺産と感覚体験を覗かせています。
  • この展示は、18世紀から20世紀半ばまでの広範な時期にまたがって、コレクターのBekir Kantarcıにより丹念に集められた香水瓶のコレクションから選ばれたもので、東洋から西洋のスタイル、金や銀、真鍮などの貴重な金属、磁器、象牙、ガラス、陶磁器、エナメルなどの素材で作られたアイテムが展示されています。

オスマン帝国時代と香り文化

オスマン帝国時代の香りの文化について、以下のようにまとめられます。

オスマン帝国は15世紀から20世紀初頭にかけて存在した、イスラム教国家です。広大な版図を有しており、中東、北アフリカ、東ヨーロッパ、アナトリアなどの地域を統治していました。

このオスマン帝国の時代には、香りを愛する文化が非常に盛んでした。香木や香料を燻すことで部屋や衣服に香りを付けたり、身だしなみの一環として香水を使用するなど、香りは日常生活に深く浸透していました。

特に宮廷では、贅沢な香りの使用が流行しました。例えばハーレムでは女性たちが香水をたっぷり使い、衣装や部屋に良い香りを漂わせることが習わしとされていました。また、オスマン帝国のスルタンは香り付けをした絹や木材を燃やし、離宮に良い香りを満たすようにしていたと言われています。

香料の調達のため、オスマン帝国はインド、東南アジア、アラビア半島との貿易を盛んに行いました。サフラン、ローズウォード、アンバーグリス、ムスクなどの高級な香料が世界中から集められていました。

香りに関する書物も数多く出版され、調香の技術が発展しました。ナンデンという職人集団が、調香や製香の専門家として活躍していたことでも知られています。

このように、オスマン帝国の黄金期には、宮廷を中心に香りの文化が大いに栄えた時代でした。中東のイスラム文化における香りの伝統が、オスマン帝国を通じて後の世界に大きな影響を与えたと言えるでしょう。