馬に秘められた香りのルネサンス、日本上陸か?馬香水の魅力に迫る

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2019 年末、新進気鋭の香水ブランド Maison d'Etto が「馬の魔法を香りで表現する」というユニークな使命を掲げて登場しました。創設者のブリアナ・リポフスキーは、グランプリドレッサージュライダーの経験を生かし、乗馬したことのある馬たちの名前を冠した香水コレクションを展開しています。Maison d'Etto のデビューから 4 年が経過し、リポフスキーはオリンピック優勝馬ヴェルダーデスへのオマージュを込めた最新の香りを発表することで、トレンドセッターとしての地位を確立しました。 この馬香水の流行に続き、Hermès や Orebella(ベラ・ハディッドによるプランド)など、他のフレグランスブランドも馬をインスピレーションの源として注目し始めています。例えば、2019 年初に Hermès が発表したオード・アレザンは、ジャミーローズとウードの香りが特徴で、この香りの製作者であるクリスティン・ナジェルが馬への恐怖を克服する過程で生まれたものです。Hermès の歴史において乗馬が果たしてきた重要な役割を考えると、彼女のこの経験は非常に意味深いものとなりました。 さらに、ロンドンに拠点を置くニッチフレグランスブランド、パピリオン・アルティザン・パルファムもこのトレンドに参入しました。彼らは、乗り込められたサドルをイメージした「エポナ」という香りを発表しました。また、モデルでありライダーでもあるベラ・ハディッドも自身の Orebella ブランドから「ナイトキャップ」というフレグランスを発売し、今後さらに「馬らしく、レザー的な」香水を発表する計画を語っています。 Maison d'Etto の最新作も見逃せません。アメリカ代表の馬ヴェルダーデスとそのライダー、ローラ・グレイブスとの絆からインスパイアされたこの香水は、調香師ジュリアン・ラスキネによって作成されました。特に魅力的な、私たちを惹きつけるオレンジブロッサムのノートが、通常のフレッシュな印象を超え、より官能的に仕上がっています。 この馬香水というトレンドが生まれた背景には、ファッション界での「カウボーイコア」ブームも一因として考えられます。デニム、フリンジ、ステットソンハットなどのカウボーイスタイルが流行している中で、馬の存在感もまた再評価されています。しかし、馬が持つ魅力は、それ以上の深さを持っています。Maison d'Etto の創立理念について、リポフスキーは「子供の頃から私は馬に引き付けられてきました。馬は私にとって、最も純粋で真のつながりと表現を象徴する存在です」と語っています。 このように、香りで馬の存在感を表現することは、現代における新たなルネサンスとして注目され続けています。日本でもこの流れが波及することを期待し、馬香水の魅力を是非体験してみてください。馬の持つ神秘的な力と、それを香りで表現するクリエイティブなアプローチが、今、新たなライフスタイルの一部として多くの人々の注目を集めています。